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賃貸住宅を作った場合の相続税削減効果は?

介護が必要になってもおかしくないシニア世代は子どもたちへの相続問題を意識するものです。できれば早目に相続対策をしておくことが望ましいのですが、資産をしっかりと残しながらも相続税を軽減したいと考えるならば、賃貸用住宅を建てることをおすすめします。その理由を解説しましょう。

■2016年1月からアップした相続税

AS_67141989日本は今、大増税時代に突入しつつあるといわれています。たとえば2016年1月から相続税の基礎控除が大幅に引き下げられたのはご存知ですか? 基礎控除とは相続税がかからない範囲のことなのですが、この基礎控除が引き下げられるということは事実上の相続税アップといっても過言ではありません。

これまでは「5000万円+1000万円×法定相続人の数」が基礎控除とされていましたが、新しい税制では「3000万円+600万円×法定相続人の数」となり、従来よりも40%程度引き下げられてしまいました。たとえば、東京で一戸建てあるいはマンションを所有しているサラリーマン家庭ならば相続税の対象になってしまう可能性が十分考えられるようになったのです。

■土地や建物の相続税評価はどのようになされるのか

ここでひとつ注目したいポイントがあります。不動産関連の遺産は換金した場合を想定して計算されますが、この時に相続税評価額という独自の指標が使用されるという点です。

たとえば建物に関しては固定資産税評価額を用いて計算されることになりますが、これはだいたい建築費の60%程度になることがほとんどです。すなわち、預金を不動産に替えるだけでも相当の節税になるというわけです。さらにその建物が賃貸ならばさらに30%も評価が下がるというので見逃せません。

今度は土地に関して見てみましょう。更地のままならば路線価がそのまま相続税評価額になってしまうため、これといってうまみはありません。ところがそこに賃貸物件が立っている場合には貸家建付地として評価されることになり、20%ほど価値を下げることができます。

つまり、「相続税対策を考えるならば預金よりも不動産、同じ土地ならば更地よりも貸家建付地にしておいた方が断然お得」というわけなのです。

■資金不足でも賃貸物件を立てた方がお得

AdobeStock_78938193以上のように相続税対策には賃貸物件を持つことが非常に有効です。節税になるのはもちろんのこと家賃収入も見込めるわけですから、定年後の安定収入を得たいと思っている人にもおすすめです。

そうとはいっても新しく賃貸物件を建てるには当然ながら先立つものも必要です。必ずしも十分な資金がある人ばかりではないでしょう。しかし、たとえ自己資金が少なくても住宅ローンを利用するなどして賃貸物件を建設する価値は十分にあります。もちろん、一番のメリットは相続の負担を減らすことにあるわけなので、万が一でも住宅ローンという負の遺産を作るようでは元も子もありません。なるべく金利の低いローンを選択して完済してしまうようにしましょう。もしくは、二世代に渡るローンを組んだとしてもそちらの方がお得ということもあるので、十分計算した上で選択することをおすすめします。

ただひとつ忘れてはいけないのは、相続税は現金の一括納付が原則であるという点です。物納や分割払いをすることはできないので、手元にある程度の現金も残しておかなければいけません。預金よりも不動産にしておく方がお得とはいえ、貯金がほぼゼロというのはさすがに問題です。

預金のうちのいくらを不動産にするのか。毎月いくらぐらいの家賃収入がみこめる賃貸物件を建てるのか。ローンの月々の支払いをそれよりも安くすることはできるのか。もし、相続税対策として賃貸物件を持つことにしたとしても、さまざまな要素を比較検討して必ず収益が見込めるようにしっかりと計算しなくてはいけないのです。

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