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介護をした子どもはその分余計に遺産を相続できるのか?

兄弟姉妹間の不平等は、相続問題を泥沼化させる大きな原因のひとつといわれています。介護をした子ども、しなかった子ども、したくてもできなかった子どもなど、それぞれの立場を主張してなかなか折り合いがつかないことも多々あります。禍根を残さないようにするにはどんな点に注意すればいいのでしょうか

■遺産は誰が相続できるのか

遺産は家族全員が相続できるわけではありません。たとえ一緒に生活していても法律が定める遺産相続できる親族、いわゆる法定相続人でなければ遺産相続できないのです。

AS_68632698法定相続人は配偶者を筆頭に、子、父母、兄弟姉妹の順番で相続権が発生します。たとえば配偶者と子があった場合には、配偶者に2分の1、残りの2分の1を子どもたちで分割する形となり、父母や兄弟姉妹には相続権はありません。基本的にはどの子も同じだけ相続権があり平等に分けることになってはいますが、実際にどう配分するかという点で問題が発生しやすくなっています。

たとえば、子どもたちのうちのひとりが介護を担当していたら、その人だけが遺産を余計に受け取ることはできるのでしょうか。他の兄弟の中には仕事の都合などで「介護をしたくてもできなかった」という人もいるかもしれませんし、異なる立場からの思惑がどうしても衝突しがちです。

■子どものうちのひとりに余計に相続させたいならば「寄与分」

一方、子どもの中でただひとり介護を背負って、自分の仕事や生活を犠牲にしてきた人がいたとしたら、平等な相続には疑問を持つ人もいるでしょう。しかし、法律上はどの子も相続権は平等なので、介護をしていない子が平等な相続を要求してきたら「介護をしていた」だけでは、余分に相続する法的な根拠にはならないというのが実際のところです。

もし、子どもの中の誰かに特別に相続させたいならば「寄与分」を利用するのもひとつの方法です。被相続人の財産の維持や増加に貢献した相続人がいる場合、法的相続分にプラスαした分を受け取ることができるのです。しかし、やはり「介護をしていた」だけでは寄与分を受け取ることができません。もう一歩、具体的な要素が必要なのです。

■介護者が寄与分を受け取るために必要なこと

AS_66039279「一生懸命介護をしていた」「自分の就労の機会を捨ててまで介護していた」というのでは、残念ながら寄与分を受け取ることはできません。ただし、相続人が介護をしていたおかげで、被相続人が高額な介護サービズを受ける必要がなく、結果として被相続人の財産を守ることになったことが認められた場合に寄与分が認定されるケースもあります。

また、法的に寄与分という仕組みは設けられてはいるものの、それを算出する方法までは決まっていません。相続人全員が協議して決めることになっていますが、話し合いが難航してしまうケースも多々あります。ついには家庭裁判所に申し立てをして寄与分を決定してもらうことさえあります。

このように寄与分という制度は不安要素も皆無ではないので、より一層の確実性を求めるならば被相続人が遺言書を残しておくことをおすすめします。被相続人が介護をしてくれた子に、他の子よりも多く相続させることを記しておいてさえくれれば、それはただちに有効になります。ただし、金額もしっかりと明記しておくことがポイントです。ただ単に「多く」だけではその比率がもめるきっかけになってしまうこともあるので注意しましょう。

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