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認認介護になる前に相続関係は整えておこう

近年、問題視されている介護の状態の一つに「認認介護」と呼ばれるものがあります。この状態になると、さまざまなトラブルの温床となってしまいますから、事前の対策が重要。認認介護とトラブルに発展しがちな相続関係について紹介します。

■認認介護とは

AS_105592140認認介護とは、認知症の相手を持ち介護をしている身内の方も認知症となってしまっている状態を指す言葉です。多くは、夫婦や親子といった間柄で、お互いに認知症を発症してしまっているために、介護が十分に行き届かず、また二人世帯の場合には周りが気がつかないうちに必要な手続きがとれずにトラブルに発展しまう危険のある状態です。

この原因は、介護の人手不足や核家族化が進んだことによって、高齢者が高齢者を介護しなければんならないような「老老介護」の現状が進行したこと。解決のためには、第三者による介護や施設への入所が必要となりますが、介護をしていた側の認知症が進行してしまうと必要な手続きもままならなくなってしまうため、発見が難しいことが問題視されています。

■認認介護でおこってしまうトラブル

お互いが認知症となってしまうと、決められたことがわからなくなってしまったり、相手をうまく認識できなくなってしまったりする状態になります。そのため、こうした認認介護の現場では、本来では考えられないようなトラブルが発生してしまうケースも多いです。

例えば、介護の放棄です。認知症の方をもともと介護していた側の方が、物忘れをしてしまうようになると、適切な介護が行えないようになってしまいます。服薬管理や排せつのケアといった、時間管理や記憶力の求められる介護では、誤った量を服用させてしまったり、排せつを忘れてしまったりと重大なトラブルに発展してしまう可能性も否定できません。

さらに、認知症同士のコミュニケーションによって虐待につながるケースも少なくなくありません。実際に、過去には認認介護となってしまった状況の夫婦がおむつを替えるのを嫌がった夫を殺害してしまったような事件もありました。自身で殺してしまったにもかかわらず、その後どうして相手が死んでしまったのかも理解できない状況だったようです。

■事前の対策を十分に

AS_102400006高齢化社会を迎えた日本では、今後も認認介護をしなければならなくなってしまう世帯がどんどん増加するといわれています。したがって、その状況が発生する前に本人はもちろん子どもや地域住民も含めて十分な対策を採っておくことが大切です。

お互いに高齢者の世帯であれば介護サービスを申し込んでおくことや、二人で支援施設への入居などが対策として挙げられます。施設によっては、認認介護の現状が把握できれば優先的に入居手続きをとってくれるようなところもあります。近くにそういった施設がないか調べておくと良いでしょう。手続きに不安があれば、身内や行政を頼るようにすれば安心です。

■相続の問題も発生する認認介護

互いに認知症になってしまった場合、相続関係についても大きな支障が発生してしまいます。夫婦の間だけが知っている遺言書を作成したものの、保管場所を忘れてしまったり、相続に関して無理やり意図とは違う内容に取り決められてしまったりする恐れがあるためです。

そうならないためにも、予め相続の問題は整理しておきましょう。遺言書の作成はもちろん、自身の持っている資産を確認したり、銀行口座・手帳の所在を明らかにしたりすれば、後々のトラブルを防げます。万が一の場面を想定してできる限り早い段階で相続に関する取り決めを行う方が身内の方にとっても自分にとっても良い選択となるはずです。

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