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嫁が介護をした場合の相続問題について

昔ほどではないにせよ、介護要員として期待されていないわけではない「嫁」。もし、同居ともなれば避けて通れないところでしょう。その時、仕事を手放さなければならないこともあるかもしれません。一方で、嫁という立場で相続はどうなるのかも気になるところです。

■嫁は法定相続人ではない

AS_60601890じつは嫁がどんなに義父母の介護をしたとしても、戸籍上の血縁関係がないため、一切相続はできません。仕事を辞め、介護に専念していたにもかかわらず、相続できなかったばかりか住む家まで追われてしまうパターンもあります。たとえば、夫の実家に義父と二人暮らしをしながら介護をしていて、相続に際して夫の兄弟姉妹に不動産の相続権を主張されたら、立ち退かざるを得ないからです。

介護のために職も失っていますし、さらにひどいケースでは介護費用のために自分の預貯金を崩してしまっていることも。それなのに、裸同然で家を追われる嫁も実際にいないわけではありません。すべては嫁が法定相続人ではないからです。

■寄与分という制度もあるが……

介護してくれた人に特別に相続をしたいならば、寄与分を活用するしかありません。寄与分とは、被相続人が生きている間に次のような貢献があったとされた者に認められる相続分のことです。
・被相続人の事業に貢献し、被相続人の財産を増やした
・被相続人の財産を管理して維持してきた
・被相続人の介護に長年従事してきた
このような功績があった者を特別寄与者として、特別に相続させることが可能なのです。

■寄与分の注意点

では、嫁が介護をおもに担当した場合にもこの寄与分が認められるのでしょうか。残念ながら寄与分は法定相続人のみを対象にしています。嫁がいくら介護をしても、事業を大きくすることに貢献したとしても、寄与分をもらえないばかりか、そもそも一銭も相続することはできません。

■嫁に相続させたいならば遺書を

free00013もし、介護を請け負った嫁にしっかりと財産を残したいと思うならば、遺書を残しておくしかありません。ただし、遺書を書く際にも注意が必要で、法定相続人以外に相続させたいならば「相続」ではなく「遺贈」と記すようにしなければいけません。

その他、遺書作成にあたってはいくつか注意すべき点もありますし、どう保管しておくかというのも重要な問題です。できれば行政書士や弁護士などの専門家に相談することをおすすめします。結構、手間がかかることでもあるので、元気なうちにすすめておくのがベストです。

■嫁を養子にするという方法もある

さらに確実に、嫁に遺産をと考えるならば、養子縁組をしてしまうというのもひとつの方法です。子どもにしてしまえば法定相続人であることに異論をはさめる者はいません。もし、嫁に相続させたいという意向をなかなか認めてもらえそうもない時には、究極の手段として覚えておいてください。

■介護にかかった費用はメモに残して!

介護をしていくうちにはどうしても被相続人の預貯金を使わなくてはいけません。しかし、何に使用したか不明のままにしておくと「使い込みをした」と、嫁にあらぬ疑いがかけられることもあります。その分を生前分与だと主張して、嫁への相続分から引こうとする相続人も結構います。これではせっかく書いた遺書も、養子縁組も無駄になってしまいます。そのようなことにならないように、少し面倒かもしれませんが、毎月の介護費用をきちんとメモしておくことが非常に大切なのです。

……いかがでしたでしょうか。たとえば嫁の夫であるところの息子に寄与分を相続させるというやり方もありますが、それが必ずしも嫁に還元されるとも限りません。尽くしてくれた嫁に何か遺したいと考えているならば、事前にしっかりと準備をしておきましょう。

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