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介護保険法と相続税法の改正で何が変わった?

2015年、介護保険法が改正されました。これによって、自己負担額が増えると予想される人が急増したと言われています。あなたの親は、また、あなた自身はどうなるのでしょうか?超高齢化社会の到来を前にして、誰しも避けられないこの問題について詳しく解説します。

■親の預貯金を知ってますか?

AS_84788060親が75歳以上にもなれば後期高齢者と呼ばれ、介護が必要になってくるケースも格段に増えます。その時、心配なのが親の預貯金です。把握している子どもは少ないのではないでしょうか。しかし、それは「介護費用に十分な預金がないのではないか」という心配ではありません。むしろ逆です。

2015年8月の介護保険法改正によって、単身1,000万円以上、夫婦で2,000万円以上の預貯金があると、特別養護老人ホームの介護サービス費が支給されないことが決定されました。さらに、単身で年収160万円、年金収入のみならば280万円以上の所得がある人は、保険介護サービスの自己負担が1割から2割にアップすることになりました。

以上の改正によって、介護サービスを受けるにあたっての自己負担額が増加することが見込まれる人は急増しました。もしかしたら、自分の親もその一人かもしれません。親の預貯金や年収は聞きにくいものですが、一度確認しておくことをおすすめします。また、自分の老後に向けての資産形成にも注意したいところです。

■生前贈与を賢く利用する

じつは、結構多くの単親家庭で1,000万円程度の蓄えはあるものです。親に預貯金を聞いて、その金額にビックリする子も少なくありません。介護にあたっては「どうにかして減らす」という、贅沢な悩みに頭を抱えることに直面します。

しかし、減らすといっても、それは使ってしまうという意味ではありません。たとえば、生前贈与を利用して子どもの口座にいくらか移行して、1,000万円を切るようにするということもできるでしょう。

生前分与とは、被相続人が生きている間に相続人に財産の一部を譲ることができる仕組みのことです。年に110万円までは非課税で行うこともできるので、もし多額の生前分与をしなければいけない場合には何年かかけて完了するようにすればお得でしょう。

■贈与税の改正で新しくなったこと

さらに2015年1月の贈与税改正では、被相続人の年齢の下限が65歳から60歳に引き下げられました。さらに、子だけではなく孫へ贈ることもできるようになり、生前分与のチャンスは大幅に拡大しています。利用しない手はないとも言えるでしょう。

■相続税も改正した

AS_95522299一方、贈与税改正と同じタイミングで相続税の改正も行われました。これにより、3,000万円+法定相続人の数×600万円を越える財産は、すべて相続税の課税対象になることが決まりました。

たとえば、都心部の家は3,000万円以上の資産価値があることもめずらしくありません。もはや相続税問題は一部の富裕層だけのものではないのです。とくに危険なのが誰も住んでいない空き家を所有している場合です。再開発で地価が高騰して、思わぬ値段になっていることもあります。

もはや、驚くような相続税を請求されるリスクがあるのはセレブばかりではありません。庶民といえども、老後に向けた資産管理をしっかりとしていかなくてはいけない時代なのです。

……いかがでしたでしょうか。2015年は介護保険法、贈与税、相続税と、老後にかかわる法制度がめまぐるしく変化した、ある種のターニングポイントともいえます。親の介護はもちろん、自分の老後のことを考えても、きちんと資産管理する必要がますます高まっているのです。「貯める」ばかりではなく、いかに生前に次世代にバトンタッチしていくかがキーポイントとなっていることは間違いないのではないでしょうか。

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