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政府がめざす「介護離職ゼロ」とは

介護の仕事ははっきり言って激務です。離職者も少なくないと言われていますが本当なのでしょうか。また、最近、政府が打ち出した政策「介護離職ゼロ」とはどのような関係があるのでしょうか。本格的な超高齢化社会を目前とした最新動向について解説します。

【介護職は離職率が高い?】
AS_86121559何年か施設に家族をあずけていると、必ずスタッフの入れ替わりを経験するものです。確かに介護職員の離職率は低くはないようにも思えますが実際のところどうなのでしょうか。

厚生労働省の「雇用動向調査」によれば、平成24年・25年とも離職率がもっとも高いのは「宿泊業・飲食サービス業」その次が「生活関連サービス業・娯楽業」になっています。介護職がカテゴライズされる「医療・福祉」が1位というわけではないのです。全産業を平均しての離職率は平成24年14.8%、平成25年15.6%でしたが、「医療・福祉」分野はそれぞれ13.9%、15.2%になっているので、ほぼ平均とも言えるでしょう。

【介護職の離職率の実際】
公益財団法人介護労働安定センターの介護労働実態調査によれば、介護業界全体での離職率は平成24年度17.0%、平成25年度16.6%でした。訪問介護員では正規職員、施設介護職員では非正規職員の離職率が高くなっているという傾向も見られます。

また、平成25年度1年間の離職者のうち73.2%が勤続年数3年未満でした。つまり、経験が浅い人ほど離職しやすいというのが介護職のひとつの特徴なのです。確かに他の分野と比較して格段に離職率が高いわけではありませんが、新人ほどすぐにやめてしまう、平均勤続年数は5年にも満たないというのは人材育成という観点からは問題があるといえるかもしれません。

【介護離職ゼロとは?】
「介護離職ゼロ」とは、平成28年4月1日国会に提出された「2015年度補正予算案の概要」の中の「1億総活躍社会」の3本柱として「各自GDP600兆円」「希望出生率1.8」などとともに掲げられました。
現在、介護離職者は年間12万人にものぼります。介護のために会社を辞めざるを得ない人がそんなにもたくさんいるのです。つまり「介護離職ゼロ」とは介護職の離職を防止するものではなく、介護のためにキャリアを中断することをストップしようというものなのです。

AS_814160312006年から2007年の介護離職者は男性25,600人、女性119,200人にものぼりました。女性が8割というのも大問題です。介護休暇を利用する人もいますが、介護をしている人の中でもその利用率は3.2%にとどまっています。介護者の3人に1人が転職または退職しているというデータもあります。

離職してしまえば、結局、親の年金や貯金を切り崩して生活しなければいけなくなってしまうことも多々あります。それでは、今後、介護費や医療費をより自己負担する方向にもっていきたい政府としては不都合です。介護が終了した時には40代から60代になっていることもあり、実質、再就職への道は絶たれているといってもいいでしょう。そうなると、介護者自身の老後資金がなくなってしまい、めぐりめぐって国の負担になってしまうという流れです。

【サ高住の拡大】
「介護離職ゼロ」のための具体策としては、たとえばサービス付き高齢者向け住宅の整備があげられます。その他、介護現場のスタッフの拡充など、在宅介護をサポートする体制をより強化していく方針が打ち立てられています。

……いかがでしたでしょうか。養護老人ホームのような大規模施設は合築がすすめられている一方で、空き地を改修したグループホームの整備などは積極的に推進されていることからも、今後は在宅介護を地域でバクアップしていくことが主流になっていくことがうかがえます。「介護離職ゼロ」政策も成功し、無理のない在宅介護が実現できれば理想的と言えるのではないでしょうか。

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