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介護を引き受けた子どもの遺産相続分について

すべての兄弟姉妹が介護を同程度負担しているというケースは稀です。どうしても、誰かしらの負担が大きくなっているものです。なかには仕事をやめてまで介護を引き受けた人もいるでしょう。その場合、相続で優遇されるようなことはあるのでしょうか。

【介護の負担のかたより】
AS_79602495何人か子どもがいた場合、必ずしも介護の負担は平等にはなりません。たとえば、遠方に住んでいて、なかなか足を運ぶことができない人もいるでしょう。また、仲が悪いなど、協力を仰げないケースもあります。

介護を引き受けた子どもとしては、同じ子どもであるにもかかわらず少しも負担しようとしない兄弟姉妹に対して不満を覚えても仕方ありません。一方、疎遠になっている子どもにも、小さな頃からのそれなりの理由があるものです。介護に手をかさなかったからといって、一方的に責められない部分もあります。

それでも比較的仲の良い兄弟姉妹ならばなんとか均等に負担しようと工夫するものです。負担がかたよってしまったり、そのことに対してわだかまりを生みがちな間柄というのは、そもそも何らかの問題を抱えていることも多く、相続に際しても一筋縄では行かないケースが多いようです。

【法定相続分とは】
しかし、じつは法律では「介護をした子どもが余計に遺産相続できる」といった取り決めは一切ありません。配偶者と子どもで相続する場合には、配偶者が半分、のこりを子ども全員で均等に分けるようにというのが、いわゆる法定相続分です。

なかには、介護をした兄弟姉妹に対して遠慮して自分の取り分は少なくていいという人もいます。しかし、介護をしたかしないかにかかわらず、法定相続分を要求する人がほとんどです。

【法定相続分以上を相続するには】
法定相続分以上を相続したい、相続させたいと考えているならば遺書を残すというのもひとつの方法です。しかし、法的に有効となる遺書とそうではないものがあるので注意しなくてはいけません。そもそも、法定相続分以上の相続を正当化する法律的な根拠はあるのでしょうか。

【寄与分を活用する】
AS_56800838たとえば、被相続人の財産を増やしたり、減らさないことに貢献したと認められる人には「寄与分」といって、法定相続以外の相続を受けることが認められています。被相続人の事業拡大に貢献した実績があればわかりやすいところですが、療養介護もまた財産の維持に貢献したと認められる場合もあります。

しかし、寄与分のやっかいなところは、相続人全員の承認が必要であるという点です。一人でも認めない兄弟姉妹がいれば、成立しないのです。また、介護の内容についても問われ、被相続人が高額サービスやヘルパーを利用する必要がないほど貢献していたというような「特別な寄与行為」がなければならず、なかなか要件を満たすのは難しいというのが実際のところなのではないでしょうか。

【領収書は必ず残しておく!】
一生懸命介護をしていたのに、親と同居していたばかりに、生活費等を親に負担してもらっていたのではないかと疑いをかけられ、その分の相続を減らすことを要求されるようなことさえあります。とくに親の貯金から引き下ろしをしていた場合、たとえおむつの購入でも疑われてしまうことも多々あります。必ず領収書を保管しておくことを、自衛のためにおすすえします。

……いかがでしたでしょうか。日頃から仲の良い兄弟でもないかぎり、遺産相続に際しては何らかのもめごとが発生するものです。それどころか、それまで仲の良かった兄弟が遺産争いをきっかけに断絶してしまったというような例も少なくありません。そうならないためにも、被相続者の生前からゆっくりとお互いの意思を確認し、よく話し合っておくことをおすすめします。

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