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解決策はどうする? 相続トラブルの実例

介護に忙しくしている最中は相続問題までなかなか思い至らないものです。しかし、実際のところ相続トラブルというのはけっしてめずらしいものではありません。元々仲が悪い兄弟ならばなおさらですし「あんなに仲が良かったのに……」という例もあります。もめない相続のために参考にしたい、いくつかの相続トラブル例を紹介します。

【同居していた家の相続をめぐるトラブル】
AS_80105622長年、妹は父親と同居して介護を続けてきました。兄は遠方に住んでいることもあって、ほとんど介護には協力しませんでした。妹は介護のために結婚を見送ったこともありましたし、父親に認知症が見られるようになってからは仕事も辞めてしまいました。

いざ、相続という段階になって妹は「その他の財産はいらないので、長年同居してきた家を相続させて欲しい」と、兄に願い出ました。ところが兄は「それでは妹の取り分が多い。家を売って預金とあわせてしっかり二等分したい」と、主張してきました。

いったい、どちらの主張が正しいのでしょうか。法定相続分といって、兄弟は財産を平等に分けるように法律では定められています。しかし、それは必ずしも厳守しなければいけないわけではありません。すべての相続人が納得すれば、どのような分け方でもできるのです。

逆に言えば、ひとりでも納得しない相続人がいた場合、預貯金を解約することも不動産を売却することもできません。このような事態を避けるためにも、もし法定相続以外の分配方法をしたいと希望しているならば、被相続人は生前にしっかりと遺書をのこしておくことをおすすめします。ただし、法的に有効にならない遺書もあります。必ず行政書士などに相談するようにしましょう。

【寄与分で円満解決】
上記の例のように、一人の子だけが介護を担当していて、他の兄弟とトラブルになりかけたものの、寄与分を利用して解決した例もあります。寄与分とは被相続人の財産の維持や増加に対して特別な協力があったと認められた者への特別な相続です。

しかし、すべての介護が寄与分の対象になるともかぎりません。認知症の親を同居で長年介護したなどの水準が求められます。ただ、病院や施設にお見舞いにいったというようなレベルではほとんど認められることはありません。さらに、寄与分が認められるのは法定相続人に限ります。たとえば、嫁がどんなに介護をしたとしても、寄与分の対象にすらならないので注意しなければいけません。

【使い込みを疑われないために】
AS_70256678介護を一手に引き受けていたにもかかわらず、親の預貯金から医療費等の引き出しをしていた分を使い込みと疑われてしまうケースもあります。その分を生前分与と見なして、相続の取り分を少なくするように要求された例はめずらしくありません。

どんなに理由を説明しても、証拠がない限りは泥沼です。そもそも、預貯金の出し入れまでチェックしたいと言い出す兄弟は自分に少しでも有利なように話をすすめるつもりしかありません。残念なことですが、好意的に見てもらおうと期待することが間違っているともいえます。

そのような思わぬ言いがかりを回避するためには、領収書をしっかりと残しておく必要があります。面倒かもしれませんが、おむつひとつに至るまでを記録しておくことが、後々のトラブル回避にも役立つのです。

……いかがでしたでしょうか。被相続人の生前に相続の話をすることは気がひけるものです。しかし、いなくなってしまっては意志を確認することもできません。切り出しにくい話題ではありますが、後々の兄弟仲に亀裂を入れないようにするためにも、被相続人と相続人全員で時間をかけて事前によく話し合っておくことも大事なのです。

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