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介護の貢献度を遺産相続に反映させられるのか

介護の貢献度の違いにより起こる相続トラブル

AS_67141989高齢化の進む日本では、多くの介護問題や相続トラブルが相次いで起きています。中でも親の介護に関連した相続トラブルは非常に多く、話し合いに折り合いがつかないまま長期間に渡って協議が続いてしまう場合もあります。

金銭に関わるトラブルや話し合いは精神的なダメージが著しく、知識がない状態では心身ともに疲れ果ててしまうのは目に見えています。また、親族を相手に金銭に関わる問題で協議を行うのも精神的な重荷となります。

このような負担が積み重なったり知識量で劣っていたりすると、大事な場面において最良な判断が困難になります。少しでも自分の負担を軽減できるよう事前に知識を得ておくことが何より大切です。では、具体的に親の介護と相続の関係性について詳しく見ていきましょう。

まず、被相続人の遺産を受け取ることが出来るのは法律で定められた範囲の人に限られます。これを法定相続人と呼び、基本的には被相続人の配偶者が最も多くの遺産を受け取れるよう定められています。

配偶者が既に亡くなっている場合や離婚により居ない場合は、被相続人の子どもへ遺産が引き継がれます。引き継がれる遺産の割合や金額は全て法律によって定められているため、覆すことはできません。

しかし、ここで最もトラブルになりやすい要因の1つに介護への貢献度が挙げられます。多くの時間や労力をかけて介護を行った人とそうでない人が平等な立場もしくは不平等な立場となってしまうためです。一般的に考えると、介護に最も貢献した人に多くの遺産を引き継ぐ権利があるように感じますが、法律ではそのような定めは設けられていません。

そのため、どんなに介護に貢献したとしても基本的には法律の定める範囲のみでしか遺産を引き継ぐことはできません。ただし、これはあくまで基本の定めとなるので中には例外として介護への貢献が認められるケースも存在します。

介護の貢献度が認められる条件とは

AS_60594330どんなに介護に貢献したとしても全くその貢献度が認められないとなると介護に身を削った側としては報われません。こうした不公平さをなくすため、日本では昭和56年1月1日から「寄与分」と呼ばれる制度が適用されました。

寄与分とは著しく目立った介護を行った相続人に対し、通常分配される遺産より多くの遺産を取得させるための制度です。この制度により、特別な介護をした多くの人々が報われるようになりました。

では、寄与分を認めてもらうための条件にはどのようなものがあるのでしょうか。まず、大前提として介護を行ったことにより被相続人の遺産を維持もしくは増加させたという事実が必要です。例えば、被相続人が事業を行っていた場合はその事業に無償または少ない賃金で貢献し、事業を支えた実績は大変有効です。これにより遺産が増加していれば寄与分を認められるための条件になります。

また、献身的に身の周りの世話を行ったことにより施設の居住やヘルパーを雇う必要がなくなった場合、介護により遺産を維持できたものとして寄与分が認められます。これらの条件は全て法律によって定められているので、一度寄与分として認められればその遺産を受け取る人は寄与分者となり、覆ることはありません。

ただし、特別な介護を行った事実を確認するための手段として話し合いへ参加する全員の賛同が必要とされます。中には、寄与分が認められる十分な事実があるにも関わらず賛同が得られないために寄与分が認められなかったというケースも珍しくはありません。

このような事態を防ぐためには、被相続人の遺言書が大変有効的です。遺言書へは自分が介護を行ったことにより遺産の維持もしくは増加があった事実を記載してもらうことで、ほぼ確実に寄与分者となることができます。遺産をめぐる話し合いにおいて、遺言書は最も強い権力を持っています。

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