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寝たきりと筋力低下は悪循環する

良かれと思った体力の温存は逆効果

AS_61148868昨日まで健康だった親が突然寝たきりになってしまったら、果たしてどうなってしまうのでしょうか。人間は誰しも必ず歳を取り、体力は低下していきます。体内の器官や筋肉、骨も歳を重ねていくことで徐々に脆く弱くなっていきます。そして、高齢になるにつれて注意力や血液の循環機能も衰え、骨折や脳梗塞のリスクは非常に高くなります。

骨折や脳梗塞は高齢者が寝たきりになってしまう要因として非常に多く、これによりある日突然介護を必要とする体になってしまうケースも多く見かけられます。また、一度大きな怪我や病気をしたことで、周囲の心配により外出を控えるように言われ、自然と体を動かさない生活になる場合もあります。高齢者本人の安全面を第一に考えた配慮なのは確かですが、体を動かさないことによる新たな問題が発生するのも確かです。

体力の少ない高齢者に対して、無駄な体力を消費させないように配慮するのは健康を維持していく上で効果的に感じますが、必ずしも良いとは言えないのが事実です。なぜなら、体を動かさない生活は体力を温存するどころか体力の減少に繋がってしまう決定的な欠点があるためです。

例えば、若いころに骨折をして体の一部を長期間動かさずにいた経験がある人はわかりやすいかもしれません。骨や筋肉は日々体を支えることでその機能を維持していますが、使わなくなった途端に機能を停止し始めます。それにより骨は細く弱くなり、筋肉はあっという間に衰えて小さくなります。

高齢者の体にもこの現象と全く同じことが言えます。さらには基礎的な体力が衰えている高齢者は、若者に比べ機能停止のスピードも圧倒的に早いと言えます。体を動かさないでいる状態が長く続けば続くほど体全体が衰え、ひどいと自立も困難な状態にもなります。介護を行う人もそうでない人も、高齢者が体を動かさないことによるリスクを今一度念頭におきましょう。

寝たきりの状態の悪循環を防ぐために

AS_62669026寝たきりや体を動かさないことで起こる筋力低下は、悪化すればするほど高齢者本人の日常生活を困難にしてしまいます。このような状態を廃用性症候群と呼びます。廃用性症候群は突発的に患うものではなく、怪我や他の病気の療養過程で二次症状として引き起こされます。元の怪我や病気を完治させるため安静に過ごす時間は重要ですが、医師の指導や確かな知識がない場合は注意が必要です。

一度、廃用性症候群が引き起こされると、高齢者の場合は下半身を中心に驚くほどの早さで筋力低下が起こります。例えば、寝たきりの状態で7日以上経過するだけで全身の約15%の筋肉が減少し、14日以上を経過すると下半身の筋肉は全身の20%ほど減少すると言われています。

こうした数字からもわかるように、ただでさえ筋肉量の少ない高齢者にとって、寝たきりの状態がいかに悪循環かという事実をきちんと頭に入れておきましょう。また、筋肉は全身へ血液を送り届けるポンプの役割を担っているため、筋力低下や長期に渡る安静状態は全身の血の巡りを著しく悪くします。血の巡りが悪くなると内臓や脳の働きが衰え、新たな疾患に発展するリスクも高まります。

もともと二次症状として発症しやすい廃用性症候群ですが、三次症状にも四次症状にも繋がる危険性を秘めています。廃用性症候群を防ぐためには、必ず医師の指導の元、正しい療養期間を設けましょう。やむを得ず寝たきりの期間を長く続ける場合には、定期的なリハビリやマッサージが欠かせません。

また、ベッドから降りることが困難な場合には、1日の中で数回上半身のみを起き上がらせるのも効果的です。こういった動作はすべて義務的に行うのではなく、会話の延長や食事の前後で自然に行うことで、高齢者本人にも無駄な精神的疲労を与えずに済みます。高齢者本人が体を動かす動作を億劫に感じてしまうと廃用性症候群の予防が難しくなってしまうため、あくまで自然な対応の中で動作を促していくのが大切です。

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