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父の相続問題|母が認知症の場合どうするの?

相続人は状況によって変化しない

AS_49042010誰しも歳を重ねるごとに自分の将来や、両親の今後について考える機会があります。今は元気な姿でいる両親もいずれは介護を必要とする時が訪れ、やがては日常生活もままならない状態となってしまうことも想定できます。こうした将来を考えていく中で介護に関する知識を身につけていく人々は多く存在しますが、案外意識されていない点として相続問題が挙げられます。いつかやってくる時に備え、知っておくと役に立つ相続問題について考えてみましょう。

もしも父親が他界してしまった時、残された母親や子どもたちには遺産を受け取る権利が与えられています。誰がどの程度の遺産を受け取れるかに関しては法律によって定められており、状況により変化することはありません。

ただし、遺産を残した人に対する介護の貢献度により「寄与分」が与えられる場合があります。寄与分は主に、介護に貢献したことにより遺産が減らずに済んだ場合に付与され、予め法律で定められた相続分よりも多くの遺産を受け取ることができます。寄与分を受け取るためには確かな介護の記録や証拠が必要となりますが、介護に貢献した事実が存在する場合には申し立ててみることも大切です。

このような相続を巡る話し合いを「遺産分割協議」と呼びます。遺産分割協議は、身内や親族のみで行ってしまうとトラブルや長引く原因となるので注意が必要です。可能であれば弁護士や、専門的な知識を持つ第三者の協力を得て話し合いの場を設けましょう。父親の相続を巡った遺産分割協議では、まずはじめに配偶者である母親に相続権が与えられます。

しかし、母親も高齢者で要介護人というケースが多くしばしば認知症を患っている場合があります。このような場合母親へ与えられる相続権に対して疑問の声が多く上がりますが、前にも触れたように相続権は法律によって定められているため状況によって権利が移ることはありません。

認知症の相続人がいる場合には

AS_44273910権利を受け取る母親本人が認知症だった場合、どんなに法律で定められているからと言っても安心することはできません。認知症にはいくつかの段階がありそれによって意思能力や理解能力にはっきりと差が生まれます

ある程度認知症が進行していた場合、周囲の話や自分の置かれている立場を上手く理解できない可能性があるので、遺産分割協議では大変不利な立場と言えます。時には受け取るはずの遺産を受け取れないまま協議が終わってしまったり、明らかに不利益となるような協議が進められてしまう可能性もあります。

このような事態を未然に防ぐため、遺産分割協議では認知症を患った人の代わりに「後見人」を参加させることが許されています。後見人は成年後見制度によって選出可能で、選出には予め家庭裁判所での手続きが必要です。選出される後見人は、認知症を患う人の血縁者や親族になる場合もありますが一概には言えません。

時には全く見ず知らずの人物が後見人として選出される場合もあり、その場合は後見人を立てるための費用が必要です。これは家庭裁判所が決定権を持っているため本人やその家族が後見人を指定することはできませんが、一般的には専門知識を持つ人物が選出されます。

また、一度後見人として選出された場合はその後の財産管理を行う義務がありすぐに辞めることはできません。やむを得ず後見人を辞退する場合には、再び家庭裁判所にて手続きを行う必要があります。後見人は、認知症を患う人の代わりに遺産分割協議に参加し、協議後も代理人として遺産受け取りの手続きを行います。

万が一、母親が重度の認知症だった場合にはこのように後見人を選出することで問題なく遺産分割協議を進められるので覚えておきましょう。後見人を立てたくない場合には、父親に予め遺言書を残してもらう手段もあります。必要事項をきちんと記載した遺言書は法律で定められた範囲で保護されるため、仮に配偶者が認知症であった場合でも不利のない相続権を得られます。

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