介護の相談ステーションでは、介護の悩みから相続や税金の相談までお答えします

介護保険の適応になる特定疾病について

介護保険の仕組みと65歳未満での利用

AS_73162062日本では病気や怪我をした時に安価で医療施設を利用できるよう、医療保険への加入が法律で義務づけられています。その仕組みは国民に深く浸透し、多くの人がその恩恵にあずかっていることは周知の事実です。しかし、同じように、加入が義務づけられている介護保険は、その具体的な内容について意外と知られていません。

介護保険は、40歳になると自動的に徴収が始まります。特別な手続きもなく、医療保険に付随して請求書が届きますので、その存在をあまり意識していない人も多いようです。そして、65歳の誕生日を迎えると保険料の徴収は終了し、それと同時に、介護保険被保険者証が交付されます。これを使えば保険証のように割引で介護サービスを受けることができ、しかも、自己負担割合はわずか1割です。

ただし、定額の1割さえ払えば、サービスを無制限に利用できるわけではありません。どの程度の介護が必要かに応じて、要支援1~2、及び要介護1~5の7段階に認定区分され、それぞれに定められた上限額の範囲で利用していくことになります。

AS_48326602ちなみに、一番軽い症状の要支援1の場合、1ヶ月の上限額は50,030円(自己負担5,030円)であり、一番重い症状の要介護5の場合であれば、上限額は360,650円(自己負担36,065円)です。それ以上の額を越えてサービスを受ける場合は、自己負担割合が10割になってしまいます。

それでは、65歳未満の方は、介護が必要な場合でも介護保険は利用できないのかというと、これはケースバイケースです。たとえば、介護が必要な場合でも、その原因が精神疾患であるならば、介護保険の対象外となります。仮に、それが回復の見込みがないものだとしても、まずは医療保険で対応し、65歳になってから改めて介護保険に切り替えなければなりません。しかし一方で、40歳以上65歳未満の方でも、介護保険が利用できるケースもあります。それは、介護が必要となった原因が、国が定める特定疾病だった場合です。

特定疾病の種類と被保険者への注意事項

AS_57295415特定疾病は全部で16種類あり、その病名は以下の通りです。「がん」「関節リウマチ」「筋委縮性側索硬化症」「後縦靭帯骨化症」「骨粗しょう症」「認知症」「進行性核上性麻痺、大脳皮質基底核変性症及びパーキンソン病」「脊髄小脳変性症」「脊柱管狭窄症」「早老症」「多系統委縮症」「糖尿病性神経障害、糖尿病性腎症及び糖尿病性網膜症」「脳血管疾患」「閉塞性動脈硬化症」「慢性閉塞性肺疾患」「変形性関節症」

ただ、これらの病気になったからといって即座に介護保険を利用できるわけではありません。まず、介護を必要とする期間が、6ヶ月以上続くと予想される場合に限定されます。さらに問題なのは、それが本当に、国の定めた特定疾病に該当するかどうかです。

例えば、がんといっても単にがん細胞が見つかっただけでは不十分で、治療が困難で余命6ヶ月程度の場合、いわゆる末期がんに限り適応されます。また、認知症はあくまでも老化に由来するものであって、アルコールなどの中毒や外傷、あるいは栄養障害によるものは特定疾病とは認められません。さらに、骨粗しょう症は骨折を伴っていることが条件になりますし、変形性関節症は膝関節か股関節に著しい変形が認められる必要があります。

このように、特定疾病の認定には、その病気になったという結果だけでは不十分で、病気の内容がどのようなものかが重視されるわけです。それらを踏まえた上で重要なことは、体に異常が生じた場合はすぐに病院で診てもらうことです。もし、介護が必要な状態になってから医者に診てもらっても、その状態が特定疾病によって引き起こされたものか判定が不可能な場合があります。そうなると、65歳になるまで介護保険を利用することはできません。

年配の人の中には病院に行くのも億劫だという人がいますが、それは早期治療の機会を放棄するのと同時に、金銭的負担を自ら増大させる行為です。特定疾病の正確な判定のためにも、何かあればすぐに医者の診断を受けることを心がけましょう。

Related posts