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公的介護保険制度の仕組みと不服申し立ての対応

AdobeStock_73506502本格的な高齢化社会の到来により、介護に対する不安を抱える人が増加しています。介護をしている人はその先行きに関して、これから介護の可能性がある人も何をどうしたら良いのかという漠然とした不安は少なくないようです。東京大学社会科学研究所の調査では、なかでも「公的介護保険制度の仕組みがわからない」という悩みが突出していることが明らかになっています。多くの人が不安を感じている公的介護保険制度について解説します。

■公的介護保険制度の仕組み

2000年に公的介護保険制度が施行される前には老人福祉・老人医療はさまざまな問題を抱えていました。たとえば、特別養護老人ホーム、デイサービス、ヘルパーなどは市町村によって定められたサービスを受ける以外の自由な選択はありませんでした。収入に応じた負担をしなければならないため、中高所得者の負担が非常に重かったのも問題視されていました。また、治療を目的として要介護者が長期入院した場合、十分なケアを受ける体制が整っていないことがほとんどでした。

そういった問題点の改善策として登場したのが「公的介護保険制度」です。利用者は各種サービスから事業者を自由に選択できるようになりましたし、これまでは別々に申し込んでいた福祉サービスと医療サービスもケアプランにそって総合的に利用できるようになりました。また、所得にかかわらず1割の負担ですむようになりました。

高齢者の介護を社会全体で支え、要介護者の世話をするだけではなく、介護されなくても自立して生活することができる高齢者を増やすことも大きな目標のひとつとしています。

■介護保険制度を利用するための要介護認定とは

AS_96646379介護保険のサービスを利用するためには、まず介護認定を申請しなければいけません。申請を受けた市町村によって訪問調査が実施され、以下の基準にしたがって要介護度、要支援度が決定されます。

・要支援1
基本的な活動はほぼ自分で行うことができるものの日常生活を営む上での多少の支障が半年以上継続していて、放置していては要介護状態になるおそれのある状態。

・要支援2
要介護1相当で、新予防給付の利用が見込まれる状態。

・要介護1
身の回りの世話に介助が必要で、立ち上がりなどに支えが必要な要介護1相当で、新予防給付の利用が見込まれない状態。

・要介護2
身の回りの世話全般の介助、立ち上がりと歩行に支えが必要。排泄や食事にも介助が必要なこともある、軽度の介護を必要としている状態。

・要介護3
身の回りの世話、立ち上がり、排泄がひとりではできず、多少の問題行動や理解力低下がある中程度の介護が必要な状態。

・要介護4
身の回りの世話、立ち上がり、排泄はほとんどできず、歩行は支えがあればできる程度で、問題行動や理解力低下が多い、重度の介護が必要な状態。

・要介護5
身の回りの世話、立ち上がり、歩行、排泄、食事がほとんどできず、問題行動や理解力低下が非常に多い、最重度の介護が必要な状態。
を段階的に、項目立てして説明する。

■要介護認定に不服だった場合にどうするか

AS_78139533要介護認定の結果によって介護保険で受けることができるサービスは異なってきます。たとえば要支援ならば介護予防サービスしか受けられませんが、要介護ならば在宅もしくは施設での介護サービスを受けることができます。

しかし、調査訪問の時にたまたま調子が良かったなどして必ずしも満足できる結果が出るとも限りません。もし、要介護認定の結果が満足できないものだった場合には都道府県に対して不服申立てをすることも可能です。その結果、要介護認定が不当とされた場合には再調査を行うことになりますが、不服申立ては要介護認定の通知を受けた日の翌日から60日以内にしなければならず、再調査の結果が出るまでに数ヶ月かかることがある点にも注意しましょう。

再調査の結果が出るまで待てないという人は区分変更申請を利用するのもひとつの方法です。要介護度が変化したと感じた段階で行う申請ですが、再調査の結果は30日以内に出されるというスピーディーさは何よりのメリットですが、必ずしも満足できる結果は得られないリスクを承知しておきましょう。

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