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わずかな遺産でもめることも。遺産争いはセレブだけではない

遺産相続というとセレブの間だけの問題のように思う人もいるかもしれませんが、それは間違いです。じつは、ほんのわずかの遺産をめぐって骨肉の争いを展開している兄弟もけっしてめずらしくはありません。遺産相続に関するいさかいというのはけっして遠い世界の他人事ではないのです。

■少ない財産でも争いは起きる

遺産相続にあたっては、最近税率がアップしたこともあり相続税対策をどうするかというのは非常に大きな問題です。相続税は、財産は大きいほど税率が高くなるので、セレブにとって相続税問題というのは本当に頭が痛いものなのです。

AS_74972786一方、多くの庶民の財産は相続税問題が発生するほど巨額ではないはずです。相続税がかかるほどの財産を残したのは亡くなった方のおよそ6%といわれています。相続税は3,000万円+600万円×法定相続人数が非課税枠になるのですが、もし相続人が2人ならば4,200万円までの遺産には相続税がかからないのです。

にもかかわらず、2010年には約17万件もの相続関係の相談が家庭裁判所に持ち込まれたそうです。過去10年でおよそ2倍にも増加しています。家庭裁判所にまで至らなくても全体の30%から40%、ことによってはおよそ半数もの家庭で相続に関する何かしらのもめごとを起こしていると考えられています。しかも、財産が少ない方がもめるケースが多いというのです。遺産に関する事件発生件数を見ても5,000万円を超えている家庭は横ばい傾向ですが、5,000万円以下の家庭では年々じわじわ増加しています。

■なぜ少ない財産で争いが起きるのか

財産が少ない方がもめるというと意外に思われるかもしれません。しかし、資産家は生前から弁護士などの遺産相続のプロに相談するなど、早くから対策を立てていることが多いのであまりもめないのです。逆に少ない財産を分け合うのはお互いの欲がどうしてもぶつかってしまいがちです。「うちは大した財産もないから何もしなくても平気だろう」と思っているような家庭がじつは危険なのです。

■遺産を平等に分割するのはまず無理

AdobeStock_78938193法律で定められている遺産の配分は被相続人の配偶者が2分の1、被相続人の子どもたちが残りを平等に分割するということになっています。しかし、なかなか法定相続分通りに遺産を分け合うのは難しいものです。

たとえば、おもな遺産は自宅だけで、そこに兄弟のひとりが住んでいるとしましょう。その家を売り払って作ったお金を兄弟で分ければ確かに平等にはなります。しかし、現実的に考えて住まいを奪うまではなかなかできることではありません。そうとはいっても、そこまでのことを求める兄弟もいないともかぎらず、もめごとに発展してしまうケースが後を絶たないのです。

法定相続通りに平等に分けることにこだわると、どうしてもどこかに歪を生じてしまいます。それぞれの都合を配慮しあって、額面的には平等ではなかったとしても、相続人全員が公平感を抱くことができるように分割したいところです。

■話し合いは必ず被相続人の生前に

相続が発生したと金融機関が知った時点で故人の口座は凍結され、お金を引き出す際には相続人全員の合意が必要になります。そうなる前に財産をどう分割するのかをしっかりと決めておかないと、話し合いが決着するまで長期にわたって凍結を解除できなくなる可能性もあります。

生前に遺産の話をするというのも気が引けるものです。しかし、そうすることで被相続人の財産を守ることもできますし、無用の兄弟喧嘩を起こさずにすむかもしれません。何よりも被相続人本人がどうしたいのか、意思を確認することもできます。何よりも重要なのは本人の意思でもあるので、それを確かめておくことはむしろ良いことともいえるのではないでしょうか。

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